就活で強みがない場合はどうすればいい?

就活生の多くがエントリーシートの自己PRで散々悩んでいることかと思います。

セミナーでいくら「強み」を意識して書けと言われても、誰しもが都合よく「強み」を持っているわけではありません。
そんな違和感を内に抱えながらも、鬱陶しいくらいに前向きなセミナーのお兄さんお姉さんたちは「誰にだって強みはある」と断言し続けるから分からなくなる。

「強みを意識して書け」はエントリーシートの正しい書き方なのかもしれないですが、みんな求めているのはエントリーシートの書き方ではないんです。
日本語が読めれば書き方くらい、誰にだって分かります。

本当に知りたいのは、自分の強みをどうやって見つければいいのかではありませんか?

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そもそも「強み」の意味とは何か

よく言われている「強み」ですが、そもそも何のことを言っているのでしょうか。

言葉通りの意味で解釈するなら…

自分の持つ誇れる特徴

といったところでしょうか。
言外の意味として「人と比べて優位な点」という相対的な意味も含まれているようなニュアンスです。

しかし、就活で使われる「強み」という言葉は、このような単純な意味に止まらないのが現実です。

「強み」は就活ビジネス用語

就活生になって急に「強み」という言葉を聞くようになったと思いませんか?

なぜなら就活ビジネスにおけるキーワードの一つとして「強み」が上げられるからなのです。
就活という大きな市場では、セミナーを主催する企業など、とても多くの企業がビジネスチャンスと捉えて参入しています。

どの企業ももっともらしいことを言うかと思いますが、なぜか似たような言葉を聞かされますよね。

特に「強み」は決まってどの企業でもキーワードとして取り扱います。
この強みという言葉は曖昧でありながら、それが故に就活生を納得させるだけの訴求力を持っているのです。

多くの就活生は「自分には強みがない…どうしよう…」と思うようにできています。
届きそうで届かない絶妙なところにあるのが「強み」なのです。

こうして就活生の不安を煽ることによって、次のセミナー、次の説明会…と企業は就活生からお金を巻き上げていきます。

そのため、この「強み」という言葉は本来的な意味よりも、就活ビジネス用語としての意味が強いということをまずは念頭に置いておいてください。

実は「強みがある」は危険

人に比べて「強みがある」と思ってしまうのは、実はちょっとした危険をはらんでいます。

強みがあること自体は素晴らしいことです。
就活ビジネスに参入している企業側からしてみれば、このような自信に溢れた就活生は「お客さん」にならないため、あまり得意ではないというのが本音です。

ところが、上記にも挙げた通り、この「強み」というのは企業側が設定したビジネス用語的な意味での「強み」です。
そのため就活生の多くをお客さんにするために、ほとんどの人が自信を持って「ある!」と言えないようになっているのが「強み」でもあります。

そして、自分には強みがある!という就活生も、そのまますんなり内定を取れればいいのですが、このご時世では100発100中で内定を取るなんて極めて難しいことです。

自信を持っていたはずの「強み」を意識して書いた自己PRでも、多くの企業を受けていくうえで否定され、打ち砕かれていくのです。

就活ビジネスの企業にとってはここまでが想定通り。
「強み」だと思っていたものが打ち砕かれ、途方に暮れてしまった就活生は、どうすればいいのか分からず就活ビジネスに頼るようになります。

だから「強みがある」よりは、「強みがない」就活生の方が就活ビジネスにハマらないのです。

強みがある人の例

ここで一つ、例を上げてみましょう。

僕の友人には大学の4年間、漫画を描いて過ごしていた人がいました。
商業誌に持ち込むなどはしていなかったと思いますが、同人誌などを出すほどの腕前で、誰がどう見ても上手い絵を描く凄まじい才能だったと思います。

いざ就活することになり、強みを意識した自己PRを書くことになった彼は、自信たっぷりに4年間漫画を描いて過ごした経験を書きました。

「漫画を描き続けた継続力」
「〆切ぎりぎりまで修正を続けた品質改善能力」
「スランプでも書き続けた忍耐力」

4年間漫画を描き続けた彼にとっての紛うことなき強みです。
そしてそれは、彼が彼自身であるためのアイデンティティでもありました。

彼が面接を受けた企業は、不幸にも圧迫面接をする会社でした。
そこで彼は、自己PRに書いてあった漫画についての質問の波状攻撃を受けます。

「経済学部なのに何で漫画描いてたの? 遊びでしょ? 他に何もやってないんですか?」
「〆切ぎりぎりって、サボってたからぎりぎりになったんじゃないんですか?」
「好きなことに対して忍耐ってどういうこと? 実は漫画も好きじゃなかったんでしょ?」

彼は泣きながら面接を終えたそうです。
その夜、僕と飲みに行ったのですが、彼にとって全てだった漫画を全否定されたせいか、彼は何も食べず何も飲めませんでした。

面接がトラウマになってしまい、彼はその後就活をしませんでしたし、就職をすることもなく、フリーターをやることになったと聞いています。
フリーターをやりながら漫画家を目指しているそうなので…彼には本当に頑張ってほしいです。

そしてここまで書けばお気づきのことかと思いますが、本来的な意味での「強み」なんて書いてもいいことはありません。
なぜなら、大抵の場合は仕事に関係ないことだからアピールになんてならないですし、採用する企業側としてもそんなもの求めていないのです。

特にこれを否定されたら立ち直れないというものがあったら、エントリーシートなんかに書くのはやめて隠しておきましょう。
あなたが自信を持ってやってきたことを一番正しく評価しているのはあなた自身ですし、それをぱっと見ただけの他人がとやかく言う権利なんてないのですから。

「強み」を区別する

ここで整理しておきましょう。

ここまで「強み」という言葉が2種類出てきてややこしいですね。
実際、これは区別して然るべきものです。

就活で使っている「強み」は本来的な意味での強みとは別物だと思った方がいいです。
そうじゃないと、上記のような悲劇が、どこかでまた繰り返されてしまう可能性があります。

本来的な意味での「強み」

これは先にも述べていたとおりの意味ですね。

自分が人に比べて長けている点

まさしく自分がやってきた経験からくるものです。

例えばゲームしかやってこなかったとか、アニメや漫画が好きだという人もいるでしょう。
当たり前ですが、これだって明確な強みです。

ゲームが上手いとか、アニメや漫画に詳しいという専門性は、他の人と差別化できます。

こうした娯楽分野は時間と情熱で上手くなり、詳しくなっていけるものです。
本人はただ遊んでいただけかもしれませんが、そこには努力と同等の価値があると言っていいです。

趣味のゲームで培った集中力」という強みをエントリーシートに書いたっていいじゃないですか?
でもきっと、多くの人はあんまり書きたくないと思うはずですよね。

なぜなら、否定される未来を予想できてしまうからです。

これと同じことが、ゲームではなく「漫画を4年間描き続けた」とか、「4年間バンド活動をした」とか、「4年間~祭実行委員会をやった」とかにも起きたって不思議ではないと思いませんか?

上手くアピールに繋げられればいいですか、この強みでアピールして落とされることもあれば、圧迫面接をする企業に当たったときに全否定される可能性もあります。

人によるかもしれませんが、本来的な意味での強みは使うべきではないと僕は思います。

ビジネス用語での「強み」

では、ビジネス用語としての「強み」って何なのでしょうか?

それは、仕事に役立ちそうな特徴をアピールするための素材です。

たとえば、「チームワーク」という特徴は仕事に役立ちそうな要素ですよね。
これをアピールするために、就活セミナーなんかでは「自分の経験に基づいた強み」を書かせようとします。

それが「4年間~祭実行委員会で連携して毎回大成功に導いたチームワーク」だったり、「野球サークルの山岳合宿で磨いたチームワーク」だったりするわけです。

これは本人たちにとっては確かに良い思い出かもしれません。

でも採用する側が本当に見たいのは、そんな言葉ではなく、実際にその場で「チームワーク」をアピールする行動なのです。
面接で「チームワーク」を表現するのは難しいですし、ましてや言葉で証明してみせることはできないです。

つまり、面接の場でアピールする要素として「チームワーク」は不適切ということになります。
だから圧迫面接では、就活生が証明できないのをいいことに否定を繰り返してきます。

確かに自己PRは必要です。
ですが、就活ビジネスで言われている「強み」に本来的な意味での強みを使用するのは間違いだと思います。

ここからは就活ビジネス用語として「強み」という言葉を使う場合は、かっこつきで「強み」として使っていきます。

「強み」なんてものはないのが普通

就活ビジネスをしている企業の言う「強み」というものが、矛盾しているのは理解して頂けたかと思います。

本来的な意味での強みは、自己PRに使うべきではない。
それでも就活ビジネスでは「強み」に本来的な意味での強みを使うように指示してくる。

この決定的な矛盾に無意識的に違和感を覚えている就活生はとても多いはずです。
だから「自分には強みがない」と悩むことになりますし、失敗する原因になってしまいます。

既に軽く触れましたが、普通の就活生が持っていないであろう「強み」を使って、就活ビジネスの企業は就活生たちの不安を煽ってます。
持っていないのも当然ですよね。

本来的な意味での強みを使って自己PRをすれば否定され、打ちのめされて就活ビジネスに戻ってくるようになっているわけですから。
そうして「自分には強みがないんだ…」と思うことになるのですから。

就活のスタート時点で、「強み」なんてないのが当たり前のことです。

「強み」は作るもの

では、どうすればいいのでしょうか。

自己PRで書いている経験というものは所詮言葉でしかなく、「今ここで忍耐力を証明して下さい」と言われたら、まあ普通は難しいでしょう。

自己PRなんてものは、その程度でしかありません。

自分が本当に頑張って一番自信を持っている強みを使うのはやめましょう。

おすすめは、3番目・4番目くらいの否定されても別にいいやという程度の強みを使うことです。
もっと言うなら、アピールしたい特徴や要素から逆算して「強み」を探してください。

そもそも自分の経験から「強み」を導き出してアピールするというのは、選択肢が狭まりすぎて「どうしよう、見つからない」となるのは当然のことです。

例えば「ゲーム会社」を受けることにしたとしましょう。
そのとき、自分が本気で頑張ってきたことが「ゲーム会社」に活きるとは限りません。

なので、「ゲーム会社」だから「流行に対するアンテナを張っていることをアピールしたいな…」と考えるわけです。
ここから、「今流行のボルダリングに挑戦してきた」というような流行を逃さないフットワークの軽さを「強み」にすればいいのです。

「強み」なんてこの程度の浅い経験でも成り立ちます。
さらにこの「流行を逃さないアンテナ」を面接でアピールするために、「来月発売するゲームタイトルを全て記憶しています」とアピールして実際に言うことができれば、「流行を逃さないアンテナ」の証明にもなるでしょう。

なので、自己PRに書くのは浅い経験、面接時ではアピールしたことを実際に証明してみせる…という二段構えでいければ、自己PRに書いたことにも説得力が出てきます。

そして、アピールしたいことはあるけれど、経験が足りない…となれば、実際に行動に移してみればいいのです。
上記の例のボルダリングなら2時間程度あればやったことにできます。

こうして、自分が演じられそうな「強み」を作っていってください。
なんでも好きなことをやっていいと思いますし、本当に楽しければ1回だけでなく複数回と経験を積んで説得力を持たせていってもいいと思います。

その行動力は、仕事をすることになったら必ず評価されていきます。

「強み」は演じるもの

「流行を逃さないアンテナ」を続けて使いますが、これは実際のところ即席で作った「強み」ですよね。

もしかすると、この程度ではあっさり落とされてしまうかもしれません。
でも、これなら落とされたっていいと思いませんか?

浅い経験はあるけれど、どうせ即席で作ったものです。
否定されたところで痛くもかゆくもありませんし、世の中には毎日走り回っても受けきれないほどの企業があります。

今回ダメだったとしても、もしかすると別の企業でこの「強み」を使い回せるかもしれませんよね。

だったら今度は「ボルダリング」じゃなくて「パデル」っていうスポーツをやってみよう…とか、次のことに挑戦できます。
これで企業の採用担当が「パデル」を知らなければ、「流行を逃さないアンテナ」の説得力も増します。

こうして演じ続けていくと、実は「強み」が本当の強みになっていくのです。
これは僕自身が体験しているのですが、一つずつ積み重ねていくことによって本当に自信に繋がっていきます。

始める前から「流行を逃さないアンテナ」という能力の名前がはっきりしているので、スキルを身につけた実感が湧きやすいのです。

企業をいくつか受けるうえで、「強み」もいくつか作っていくことになります。
就活でなかなか内定がもらえなくても、こうして作り演じた「強み」は自分の財産であり経験であり成長になるわけですから、決して無駄になることはありません。

就活という避けられないものを続けるうえで一番価値があるのは、こうした作業であると個人的には思います。

作りたい「強み」の探し方

それでもまだどうしていいか分からない…という人もいるとは思います。

そういう人は、やっぱり自分の得意なことを探してみるといいです。
そして、自分の得意なことが、別の何に応用できそうかを考えてみましょう。

……それでも、それでもまだ、分からない。

そんな人は、以下のようなやり方を試してみるのはいかがでしょうか。

人に探してもらう

自分が人と比べて秀でている点というのは、自分自身ではなかなか気づきにくいものです。
自分でこうだと思っていても、周りから見ると別の点を指摘されるかもしれません。

いずれにしても人の視点を介するのは、普段意識していなかったことに気づかせてもらえるので、できることなら積極的に聞いていきましょう。

中には探してくれるような人が周りにはいないという就活生だっているかもしれませんね。
悲しいことに僕がそうでした。

そういう方のためには、下記の方法がおすすめです。

理想の人を思い浮かべて真似をする

理想の人といえば聞こえはいいかもしれませんが、早い話が妄想です。

先にも書いてきた通り、「強み」というものは自分で作り上げ、演じていくうえで身につけるものです。
なので、どうせなら自分がなりたい自分を目指していくといいかと思います。

例えば僕は引っ込み思案な性格だったので、就活を機に直してみたいと思って色んなことをしました。
特に「人と会話を増やす」のは一番意識した部分かもしれません。

暇そうな服屋の店員さんに話しかけるのがたぶん一番多かったです。
何がしたかったのかと言うと、「意識的にコミュニケーション能力を鍛えた」と自己PRに書きたかったのが第一で、「理想の人」を思い浮かべるための材料が欲しかったという理由が第二でした。

服屋の店員さんは黙って服を見てるとすぐに話しかけてくるのが嫌なところですが、一方で知らない人にでも気さくに話しかけられるそのコミュニケーション能力はお手本になるなと思ったのです。

理想の人=理想的な仕事をしている人、として考えてみると、いい人物像が見えてくるかもしれません。

分析サイトを利用する

それでもまだ難しいという人は、自分の特性を分析してもらってはいかがでしょうか。

特別好きなことがあるわけでも、特別得意なことがあるわけでもない。
自分に何が向いているのかも、そもそも自分が何を持っているのかも分からない。

これに関しては、色々方法があるかと思いますが、「Future Finder」というサイトがおすすめです。

このサイトのいいところは、「心理統計学」に基づいて詳細な特性分析をしてくれるところですね。
「冷静沈着な解決者」「真摯に向き合う努力家」など、性格特性のタイプは16に上ります。

さらに「得意な分野」や「仕事の動機」などをグラフ化してくれて、自分がどんな雰囲気の企業に合っているのかを心理学の視点から導き出してくれるので、自分自身が分からないという人にとってはかなり役に立つはずです。

必要であれば導き出された結果から、データを基に企業の検索ができたり、また逆に企業側からのオファーを受け取ったりということもできます。
普通の就活とは違ったやり方も試してみたいという人は、自分がどのタイプになるのか、分析してみてはいかがでしょうか。

公式サイトを貼っておきます。

Future Finder(フューチャーファインダー)無料会員登録

まとめ

・本当の意味での強みと、就活で使われている意味での「強み」は別物だと思った方がいい
・「強み」がないのは当たり前で、悩む必要なんてない
・「強み」は自分で作り、演じ続けることで、身につけていくもの
・就活の本当の価値とは、そうした「強み」を身につけていく過程にある

以上、自己PRや「強み」で悩んでいる人は参考にしてみてください。

もしかすると既に就活を頑張っていて、内定がもらえていないという就活生もいるかもしれませんね。

その場合はもしかすると、強みや自己PR以外にも原因があるのかもしれません。

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